■はばらさんは「マシンロボ」放送中から雑誌等で、レイナはロボットではなく役者が衣装を着ているという解釈のイラストを発表、女の子としてのレイナの姿を印象付けていました。
そして剣狼伝説1のエンドロールは本編を特撮映画としてとらえた「メイキング映像」で構成、中には演技が上手く出来なくて涙を流してしまうという「役者が素顔を見せる」ショットもありました。
この「ミュージックビデオ」の最後の楽曲「はるかな旅路へきみと」は、その流れのいわば集大成ともいえる、レイナを演じていた女優と、ロムを演じていた俳優との恋物語が語られます。
シリーズ構成の園田さんによる作詞、レイナ役・水谷優子さんとロム役・井上和彦さんによるデュエットソングという豪華な一曲。
「マシンロボ」「剣狼伝説」そして「劇場版マシンロボ」という作品の「撮影」の中、レイナ(役の女優)がロム(役の俳優)への想いをしずかにつのらせてゆくようすが、歌詞の内容とたくみにリンクしつつ描かれます。
曲の中盤、「マシンロボ」終了後の時期に、たぶん仕事とは別のプライベートな時間にふたりでいろいろな場所を訪れているカット数点が印象的。
恋人同士ではない、けれど特別な時間を過ごしている…という関係がなんだかいいですね。
また「剣狼伝説2」の舞台惑星B1の「書き割り」の前でロム役の俳優と、激しい戦いを繰り広げたザルク役の俳優や、ゲストのみなさまがほがらかに談笑している…といった「特撮作品のメイキング映像」的な部分もたのしいです。
■「THANK YOU FOR YOU」から「永遠のララバイ」までは楽曲の冒頭部で、はばらさんが描きおろしたカラーイラストがたのしめるのもうれしいところ。セル画ではない、アクリル絵の具で描かれたイラストは、21世紀になったいま観ると、とてもインパクトがあります。