■この廻では、作画枚数は抑え、そのぶんキャラクターのポーズやレイアウトを「動き」のあるものにするという見せ方をしています。
特に印象に残ったのがラスト近く、葉に降霊したシャモンとパイロンの闘いのシーン。 じつはほとんど1枚の絵をスライドさせたりカメラワークでカバーしていたりと、必要最小限なカロリーで描写されています。
どう描けば少ない枚数でも動いているように見えるのか、どこに枚数をより多く使うと、もっと動いているように見えるのか。それまでのはばらさんのアニメーターとしての経験が活かされたプランニングになっています。はばらさんはこの廻のほとんどの画面のレイアウト、動きのタイミングのチェック を行なったそうです。
上の図は親友まん太が「戦いを見守っている」というシーンなのですが「画面の向こう側に注目するものがある」ことが印象的に伝わるポージングになっています。
枚数をタイトにしながらもダイナミックな動きが印象に残るこの演出の方向性は、以降もはばらさんの演出の持ち味のひとつとして確立してゆくことになります。
■葉たちの激しいバトルの合間、まん太をはじめとした「見守る側」の掛け合いも、この廻では重要なポイント。
バトルしているわけでもない、平板になりかねない彼らにも、カメラワークが多用されていて、映像の中で心地よいリズムが刻まれています。
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「シャーマンキング」メインスタッフ
監督 水島 精二
シリーズ構成 小出克彦
キャラクターデザイン 高見明男
プロップデザイン 山岡信一
美術監督 小山 俊久
色彩設定:関本美津子
製作 テレビ東京、XEBEC
第7廻 メインスタッフ
絵コンテ はばら のぶよし
演出 はばら のぶよし、大槻 淳史
脚本 稲荷 昭彦
作画監督 高見 明男
美術監督 小山 俊久
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